パート1:私が頼んだ写真
息子は、写真を撮るために私の隣に立つことを拒んだ。
その頃には、私は一週間の間にたった二枚しか写真に写っていなかった。そして、その二枚とも、肩から下を切り取られていた。
慎重に。意図的に。
まるで私自身が、何年もの間、家族の思い出から自分を切り取ってきたのと同じように。
休暇の4日目の午後、私はもうそれを終わりにしようと思った。
そして、その日は珍しく、本当に気分がよかった。
痩せていたわけでもない。生まれ変わったわけでもない。魔法のように25歳に戻ったわけでもない。
ただ、気分がよかった。
温かい水と太陽の光に包まれて、しばらく自分自身のことを考えずにいられたときに感じる、静かで、どこか懐かしいような「いい気分」だった。
これほど長い間で初めて、私は水着を着ても、すぐにタオルで全身を隠そうとはしなかった。
勇気なんて呼ぶほどのことじゃないはずだった。
でも、私には勇気が必要だった。
だからプールから上がったときも、私はタオルをそのまま置いておいた。
肌を伝って水が流れ落ちるのをそのままにして、イーサンに手を振った。
「こっちに来て。あなたと一緒に写真を撮りたいの」
彼は私を見た。
そして、すぐに別の場所へ視線をそらした。
「母さん……」
「何?」
「何でもない」
「写真一枚だけよ。ほら」
彼は動かなかった。
まるで突然、リゾートの反対側でどうしても外せない用事を思い出したかのように、プールサイドを見回し始めた。
「イーサン、どうしたの?」
「何でもないよ」
数メートル離れたところでは、夫のデイビッドがスマートフォンを手に座っていた。
月曜日から、彼は何もかも写真に撮っていた。
夕日。朝食。桟橋から豪快に飛び込むイーサン。大きな麦わら帽子の下で昼寝する義妹のレイチェル。
旅行中のあらゆる瞬間が、彼のレンズを通り過ぎていた。
「お母さんと立ちなさい」
デイビッドは顔も上げずに言った。
「父さん。本気?」
「何だ?」
そして、そのときイーサンが言った。
つぶやいたのでもない。小声でもなかった。

プールサイドにいる全員に聞こえるほど、はっきりと、大きな声で。
「母さんがあんなふうに見えるときに、一緒に写真なんか撮りたくない」
そう言いながら、彼の視線が私の体を上から下へ、ゆっくりと移動した。
まるで、自分が何を言ったのか、誰にでも正確に分からせるかのように。
レイチェルはスマートフォンを掲げたまま、撮影の途中で固まっていた。
私は腕を半分上げたまま立ち尽くし、水がタイルの上に滴り落ちていた。
そして、何も言わなかった。
夫も何も言わなかった。
それが、私には理解できなかった。
結婚して21年。
デイビッドが何かを見過ごすところなんて、一度も見たことがなかった。
失礼なウェイターに対しても。駐車スペースを横取りした見知らぬ人に対しても。
彼は頑固と言ってもいいほど、正義感の強い人だった。
なのに、彼は立ち上がらなかった。
声を荒らげることもしなかった。
ただ、息子を数秒間じっと見つめた。
本当に、じっくりと見ていた。
それからスマートフォンに視線を落とし、文字を打ち始めた。
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パート2:メッセージ
私は、本当に仕事のメールに返信しているのだと思っていた。
今でも、そのとき考えたことをはっきり覚えている。
――彼にも聞こえた。でも、騒ぎを起こすほどのことじゃないと判断したんだ。
そして、私はそれを受け入れなければならない。
そう思った。
そのとき、イーサンのスマートフォンが振動した。
彼は画面を見て、メッセージを読んだ。
私は画面を見ることができなかった。
ただ、彼の顔だけが見えた。
そして、彼の表情の中で何かが静かに崩れていくのを、私は見ていた。
二通目が届いた。
そして三通目。
彼はスクロールするのをやめた。
両手でスマートフォンを握りしめ、私のほうを決して見ようとしなかった。
私はデイビッドに身を寄せた。
「何を言ってるの?」
彼は入力を続けながら答えた。
「何年も前に、あの子が聞くべきだったことを」
イーサンは長い間、微動だにしなかった。
その頃には、プールサイドにいた誰もが、見ていないふりをすることをやめていた。
レイチェルもゆっくりとスマートフォンを下ろした。
私はタオルに手を伸ばした。
でも、先にデイビッドが取った。
彼は立ち上がり、私のところまで歩いてきて、タオルを差し出した。
私はそれを受け取った。
「何か言ってくれてもよかったのに」
私は小さな声で言った。
「言ってるよ」
「私にじゃない」
彼はイーサンのほうを見た。
「何もかもを人前でする必要はない」
私はタオルを体に巻きつけた。
その言葉も、胸に刺さった。
なぜなら、傷ついた私の心のどこかでは、誰かに見ていてほしかったから。
デイビッドに立ち上がって、
――二度と母親にそんな言い方をするな。
そう言ってほしかった。
さっき私が浴びた視線を、イーサンにも感じてほしかった。
プールの周りにいる見知らぬ人たち全員に、私はあんなことを言われるような人間じゃなかったと知ってほしかった。
でも、夫は沈黙を選んだ。
少なくとも、表面上は。
やがてイーサンが顔を上げ、父親を見た。
顔から完全に血の気が引いていた。
「父さん」
デイビッドはもう一度文字を打った。
イーサンのスマートフォンが振動した。
彼はメッセージを読み、それからただ、その場を立ち去った。
謝罪もなかった。
説明もなかった。
ただ、行ってしまった。
私は彼がドアの向こうへ消えていくのを見つめた。
「どこへ行くの?」
「行かせておけ」
デイビッドが言った。
私は彼を見つめた。
「何を言ったの?」
「本人が話せば分かる」
「何よ、その答え」
「息子を人前の見せ物にして、これ以上悪化させないための答えだ」
「半分以上の宿泊客がいる前で、私を恥ずかしめたのよ」
「分かってる」
彼は静かに言った。
「分かってるよ」
私はラウンジチェアに腰を沈めた。
レイチェルが心配そうな顔で近づいてきた。
「私にできることが――」
「いい」
自分でも分かるほど、きつい言い方になった。
私は言い直した。
「ただ、5分だけ時間がほしい」
彼女はうなずき、少し離れた。
デイビッドが私の隣に座った。
すぐには私に手を伸ばさなかった。
彼は分かっていた。
21年も一緒にいるのだから、慰めが本当に慰めになるときと、ただの同情に感じられるときの違いを知っていた。
数分後、タオルの下で彼の手が私の手を探した。
「上に羽織るものを着ておけばよかった」
私は言った。
彼は私の指を握った。
「違う」
「着ていたら、あんなこと言わなかった」
「だからって、羽織りものが問題なんじゃない」
私は顔をそらし、水のほうを見た。
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※説明用のイメージです
パート3:私の体が背負ってきたもの
私は、ずっと今のような体型だったわけじゃない。
その文章を考えることさえ嫌になる。
まるで謝罪のように聞こえるから。
まるで、私の体がこの世に対して、自分が存在する理由を説明しなければならないみたいに。
でも、私の体は変わった。
大きく変わった。
デイビッドが私に出会ったとき、私は24歳で、彼のシャツをワンピースのように着られるほど小柄だった。
週に3回、朝に走っていた。
ジーンズを買うのも簡単だった。
体型のことなんて、一度も考えなかった。
そして、子どもを授かろうとする日々が始まった。
7年間。
その7年間がどれほど暗かったのか、私たち夫婦以外の誰も知らなかった。
友人たちも。
家族のほとんども。
イーサンさえも。
特に、イーサンは。
検査があった。
処置もあった。
ホルモン注射のせいで、自分自身が見知らぬ人のように感じたこともあった。
排卵に合わせ、仕事に合わせ、細くなっていく希望の糸に合わせて、予定を組んだ。
妊娠したこともあった。
私たちが「もしかしたら」と信じるのに十分な期間だけ続いて――暗闇の中で子どもの名前を囁くところまでいって――そして、失った。
体重が増えた。
少し減った。
また増えた。
自分の体が、もはや自分の知らない戦場になっていった。
そして、私たちがほとんど諦めかけた頃、イーサンがやってきた。
人は簡単に「奇跡」という言葉を使う。
でも、私たちにとっては比喩なんかではなかった。
それは、ただ真実だった。
妊娠中、私はずっと怖かった。
医師に食べるよう言われたら食べた。
休むよう言われたら休んだ。
合併症が見つかったときには、運動を完全にやめて、何週間も横になっていた。
少し息をするだけでも、それで息子を失うかもしれないと思っていたから。
そして出産間近になった頃、すべてが一度におかしくなった。
イーサンは緊急手術で生まれた。
私は恐ろしいほど大量の血を失った。
手術は何時間も続いた。
そのときのことを、私はほとんど覚えていない。
でも、デイビッドは全部覚えている。
傷跡はきれいには治らなかった。
へそのすぐ下から始まり、下へ、そして横へと伸びている。
太く、盛り上がり、隠すことができない傷跡。
私は15年間、それを隠していた。
嫌いだったからじゃない。
むしろ逆だった。
私の体がした最も神聖なことを、見知らぬ人にじろじろ見られたくなかっただけ。
でも、その週、私の中で何かが変わった。
今でも、何だったのか正確には分からない。
49歳になったからかもしれない。
同年代の女性たちに囲まれていたからかもしれない。
みんな、もう自分がここに存在することを謝るのに疲れ果てていたように見えた。
それとも、ただ一枚だけ、家族写真が欲しかったのかもしれない。
首から下まで、ちゃんと自分が写っている写真を。
だから私は、隠れることなくプールから上がった。
そして、息子が最初に感じたのは――恥だった。
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パート4:ドアを叩く音
イーサンは夕食に降りてこなかった。
デイビッドは、彼を部屋にいさせておこうと言った。
普段なら私は反対していただろう。
我が家では、家族の夕食は家族みんなで食べるものだから。
でも、その夜の私は、もう何かと戦う力が残っていなかった。
レイチェルは懸命に沈黙を埋めようとしていた。
彼女の夫は、翌朝パドルボードを借りようという話をしていた。
私は適当なところでうなずいた。
でも、何を食べても味がしなかった。
その後、デイビッドと私は、暖かな暗闇の中を部屋へ戻った。
「本当に話してくれないの?」
「話さない」
「どうして?」
「あのメッセージは、彼に向けたものだから」
「あなたは私について何か言った」
「そうだ」
「なら、私にも関係があるでしょう」
彼は部屋の前で立ち止まり、私のほうを向いた。
「今夜までに本人が話さなかったら、明日の朝、僕から見せる」
「どうして明日まで待つの?」
「まずは、彼自身が正しいことをする機会を与えたいから」
あまりにも腹立たしいほど理にかなった答えだったので、私は何も言い返せなかった。
部屋に入った。
私はシャワーを浴び、パジャマに着替え、鏡を避けた。
午後10時半頃、ノックの音がした。
デイビッドがドアを開けた。
そこにはイーサンが立っていた。
ひどい顔をしていた。
ふてくされた十代の少年がドアを乱暴に閉めるような、芝居がかった「ひどさ」ではなかった。
本当に動揺していた。
まるで、自分が思っていたほど地面が確かなものではなかったと、初めて知った人のように。
「母さんと話していい?」
デイビッドは私を振り返った。
私はうなずいた。
彼は部屋を出て、ドアを閉めた。
イーサンは中に入ってきた。
でも、座らなかった。
ドアの近くに立ったままだった。
これ以上近づく権利が自分にあるのか分からないように。
「ごめん」
彼が言った。
私は膝の上で手を組んだ。
「何について?」
彼はびくっとした。
「分かってるだろ」
「自分の口から言って」
彼は苦しそうに唾を飲み込んだ。
「プールで言ったこと」
私は待った。
「それと……あんなふうに母さんを見たこと」
その部分は、彼にとってもっと苦しいものだった。
それが分かった。
それでいい。
「ごめん」
彼はもう一度言った。
私はゆっくりとうなずいた。
「分かった」
彼は驚いたようだった。
「分かった?」
「謝った瞬間に、何もなかったことになるわけじゃないのよ、イーサン」
彼はカーペットに視線を落とした。
「分かってる」
「本当に?」
彼はうなずいた。
そして、スマートフォンを私に差し出した。
「父さんが、母さんに見せるようにって」
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パート5:彼が読んだもの
私はスマートフォンを受け取った。
イーサンは窓のほうへ歩いていき、私に背を向けた。
私が読むところを見ていられないようだった。
メッセージのやり取りを開いた。
最初のメッセージは、ほんの数語だった。
お母さんのお腹を見ろ。
その次。
体重じゃない。傷跡だ。そこを見ろ。
胸の奥で息が止まった。
私は読み続けた。
そこからお前が生まれてきた。お前は生まれるとき、もう少しで助からなかった。お母さんはあの手術台に4時間いた。途中で、医師たちは僕に話しかけるのをやめて、急にものすごい速さで動き始めた。看護師が僕を廊下へ連れ出して、電話をかけたい人はいるかと聞いた。
画面がぼやけ始めた。
その廊下のことは、私はデイビッドから何度も聞いていた。
看護師が、誰に電話をかけたいか優しく尋ねたこと。
彼の母親が最初の呼び出し音で電話に出たこと。
そしてデイビッドが、ほとんど言葉を絞り出せないまま言ったこと。
――母さん、何かがおかしい。
次のメッセージ。
お前が生まれる前、僕たちが長い間、子どもを望んでいたことは知っているだろう。でも、お前が知らないことがある。7年間だった。何度失敗したか、お前は知らない。その7年間にお母さんが何を経験したのかも知らない。なぜなら、お母さんが絶対にお前にそれを見せなかったからだ。
私は止まった。
「イーサン……」
彼は振り返らなかった。
「読んで」
だから、私は読み続けた。
お母さんは、お前を失うのが怖くて、二人分食べた。医師に言われたことは全部やった。それどころか、誰にも言われていないことまでやった。体重はかなり増えた。そして、元には戻らなかった。ここで分かってほしいことがある。お母さんが体重を落とせなかったのは、体が太りすぎていたからじゃない。お前を生かすことで精一杯だったからだ。
手が震え始めた。
デイビッドは、そんなことを私に言ったことがなかった。
こんな言葉では。
一度も。
お母さんは、お前を「奇跡」と呼んでいる。お前が生まれた日からずっとそう呼んでいる。お前は、その理由を一度でも考えたことがあるか?
私は手で口を覆った。
部屋の向こうで、イーサンの肩が震え始めていた。
そして、彼が後になって4回読み返したと話したメッセージが来た。
私はそれを読み切るために、自分自身を落ち着かせなければならなかった。
お母さんは、あの傷跡を一度も恥じたことがない。一度もだ。何年も前、お母さんは僕に言った。自分の体の中で、絶対に変えたくない部分はあの傷跡だと。それは、お前がここにいる証拠だから。
今日、お母さんは15年ぶりに、みんなの前で立ち上がって、その傷跡を見せた。

そして、最初に聞こえてきたのがお前の言葉だった。
私は読むのをやめた。
その一文は、プールでイーサンから言われたどんな言葉よりも痛かった。
デイビッドは、私自身でさえ言葉にできなかったことを見抜いていたから。
私は誇りに思っていた。
ほんの30秒ほどだったかもしれない。
でも、本当に誇らしかった。
太陽の下で水を滴らせながら、写真を撮ってほしいと頼めるほどに。
そして息子が私を見た。
その一瞬の視線だけで、私はその誇らしさを感じたことさえ後悔してしまった。
最後のメッセージまでスクロールした。
短かった。
僕がお母さんと結婚したのは、見た目のためじゃない。僕が結婚したのは、お母さんがどんな人なのか、その人自身を愛したからだ。そして彼女は24歳の頃と同じ女性だ。ただ、お前のためにしたすべてのことの証拠を、その体に背負っている。人を見た目だけで判断するなら、一生、本当に大切なものを見逃すことになる。
そして最後に。
さあ、お母さんの隣に立て。
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※説明用のイメージです
パート6:傷跡
私はスマートフォンを下ろした。
長い間、言葉が出なかった。
やがてイーサンが振り返った。
顔は涙で濡れていた。
「知らなかった」
「知らなかったのは分かってる」
「父さんは、そんなこと一度も教えてくれなかった」
「私も話してなかった」
「どうして?」
「あなたが子どもだったから」
「僕、15歳だよ」
「そうね」
私は優しく言った。
「15歳よ」
「それでも、何も知らなかった」
「そうね」
彼は一歩近づいた。
「どうして7年間のことを教えてくれなかったの?」
「何て言えばよかったの?『おめでとう、あなたは何年もの生殖医療の苦しみを生き延びた子なのよ』って?」
涙の中で、彼から小さな、驚いたような笑いが漏れた。
それから彼の視線が私のお腹へ向いた。
体ではない。
傷跡へ。
「見てもいい?」
私はためらった。
そして、パジャマの上着の裾を少しだけ持ち上げた。
もちろん、彼は以前にも見たことがある。
何百回も。
小さかった頃には。
幼い子どもは、十代の子どもほど体を細かく分類して見ない。
幼児にとって、母親のお腹はただ母親のお腹だ。
柔らかくて、馴染み深くて、安心できる場所。
でも今の彼は、まるで初めて見るかのように、慎重に見つめていた。
傷跡は端のほうが薄く、中央部分は濃かった。
多くの人にとっては醜いものなのだろう。
でも、私にとっては美しいものだった。
「これ、僕のせい?」
彼が尋ねた。
「違う」
彼は顔を上げた。
「あなたが生まれるときに、何かがおかしくなったからよ。それと、あなたのせいということは同じじゃない」
「母さん、死にかけたの?」
その質問が嫌だった。
15年間、彼がそんなことを尋ねなくてもいいようにしてきた。
「ええ」
彼の顔が歪んだ。
私は手を伸ばした。
彼は私の隣に座った。
何年ぶりだろう。
十代になった息子が、2秒後に離れることなく私に抱かれていた。
彼は5歳の頃のように、私の肩に顔を埋めて泣いた。
「そんな意味で言ったんじゃなかった」
彼が言った。
私は彼の髪を撫でた。
「じゃあ、どういう意味だったの?」
彼は長い間、答えなかった。
「分からない」
「考えてみて」
彼は体を起こし、目を袖で拭った。
「学校の男子の何人かが……母親のことを話すんだ」
そうだろうと思った。
「いろいろ言うんだ。誰が美人だとか。誰が太ってるとか。誰の母親が老けて見えるとか」
私は彼を見た。
「あなたも一緒になって言ってたの?」
「ときどき」
「どうして?」
「そうしないと、今度は自分が標的になるから」
そこにあった。
言い訳ではない。
説明だった。
十代の残酷さの多くは、自己防衛の姿をしてやってくる。
「みんなを、そういうふうに見るようになってたんだと思う」
彼は認めた。
「どういうふうに?」
「見た目がいいかどうかだけが大事みたいに」
彼は袖で顔をこすった。
「それで、あの写真をみんなに見られたくなかった」
「どの写真?」
「レイチェル叔母さんが撮ろうとしてた写真。もし僕が投稿したら……」
彼は最後まで言えなかった。
「私を恥ずかしいと思ったのね」
私は言った。
彼はうなずいた。
痛かった。
そして今回は、その痛みを感じることにした。
急いでなかったことにしたり、彼が楽になるようにしたりはしなかった。
「許すわ」
やがて私は言った。
彼は驚いて私を見た。
「でも、傷つかなかったことにしてほしいなんて思わないで」
「思わない」
「それと、お父さんに怖がらされたから謝ってるんじゃないでしょうね」
「怖がってないよ」
「じゃあ、お父さんは何をしたの?」
「僕を馬鹿みたいな気持ちにさせた」
私は思わず笑いそうになった。
「その才能はすごいのよ」
イーサンが弱々しく、涙の混じった笑い声を漏らした。
それから、また真剣な顔になった。
「母さんが、人に見られるから傷を隠してたなんて知らなかった」
「隠すのは、ずいぶん上手くなったのよ」
「じゃあ、どうして今日はやめたの?」
私は正直に考えた。
「家族写真から消えていることに、もう疲れたから」
彼は自分の手を見下ろした。
私たちは二人とも、家にあるアルバムを知っていた。
棚いっぱいの、イーサンとデイビッドの写真。
旅行。
誕生日のろうそく。
クリスマスの朝。
私はほとんどいつも、カメラの後ろにいた。
たまに写っていても、自分を切り取った。
角度を変えた。
隠した。
消した。
「僕がまた母さんを隠れたくさせた」
イーサンが静かに言った。
「そうね」
私は認めた。
「そうさせたわ」
彼は目を伏せた。
「本当にごめん、母さん」
私は彼の手を握った。
「じゃあ、約束して。私が今日感じたような気持ちを、他の誰にも味わわせないって」
彼は握り返した。
「約束する」
そのとき、優しいノックの音がした。
デイビッドがドアを数センチ開けた。
「中、大丈夫か?」
私はイーサンのスマートフォンを掲げた。
「あなたのせいで泣いたんだから」
デイビッドは厳かな顔でうなずいた。
「それが目的じゃなかった」
「嘘つき」
「目的の一部だった」
イーサンは目を思いきり上に向けた。
あまりに大きく目を回したので、そのまま戻らないんじゃないかと思った。
普通。
ありがたいことに。
⸻
パート7:私たちが撮った写真
翌朝、朝食前にプールのそばで家族写真を撮る予定だった。
レイチェルが一週間ずっと計画していたものだ。
私は、ほとんど中止にしようと思った。
でも、同じ水着を着た。
そして鏡の前に立ち、両手に羽織りものを持った。
15年間、それを着ることは呼吸するのと同じくらい当たり前だった。
私は頭からそれをかぶった。
そのとき、ノックの音がした。
イーサンだった。
「準備できた?」
「もう少し」
彼の視線が羽織りものに向かい、それから私の顔に戻った。
「それ、着ないで」
私は固まった。
「何?」
「僕のせいで着ないで」
喉が詰まった。
「服を着るかどうかは私の自由よ、イーサン」
「分かってる」
彼の顔が深い、苦しそうな赤色に染まった。
「ただ……僕が言ったことのせいで、隠れないでほしい」
私はゆっくり息を吸った。
そして、それを脱いでベッドの上に置いた。
私たちは一緒に階下へ向かった。
プールでは、レイチェルが揺れるヤシの木の下で、みんなを並ばせていた。
デイビッドは私の隣に立った。
イーサンはいったんグループの端へ向かった。
その瞬間、胸の中に、あの古い痛みがまた込み上げてきた。
でも彼は戻ってきた。
私のすぐ隣に立った。
デイビッドの側ではなく、私の側に。
そして私の肩に腕を回した。
「このあと、もう一枚撮ってもいい?」
彼が尋ねた。
レイチェルがスマートフォンを下ろした。
「どうして?」
イーサンは私を見た。
「母さんと一緒に撮りたいから」
それだけで、私は完全に泣き崩れそうになった。
まず、レイチェルが家族写真を撮った。
それからみんなが離れていき、イーサンだけが残った。
私はお腹を引っ込めなかった。
傷跡を隠すために横を向いたり、腕を組んだりもしなかった。
ただ、太陽の下に立った。
息子を隣に置いて。

「準備はいい?」
レイチェルが声をかけた。
イーサンが笑った。
私も笑った。
カシャ。
それだけだった。
大きな変化が起きたわけじゃない。
2時間後には、彼は朝食ビュッフェに文句を言っていた。
昼には、Wi-Fiが遅すぎるとぶつぶつ言っていた。
本当の変化というものは、たいてい映画のようには起こらない。
でも、何かが変わった。
私の体ではない。
彼がその体を見る目が。
そして、もしかしたら、私自身が自分を見る目も。
15年間、私はその傷跡を、イーサンをこの世界へ連れてくるために自分の体が耐え抜いた証だと思っていた。
あの朝、それはもっと別のものの証になった。
愛する人たちは、私たちを深く傷つけることがある。
でも、その人たちが本当に目を向ける覚悟を持っているなら、なぜ私たちが傷ついたのかを理解し、より良い人間になろうと選ぶこともできる。
そして私たちが一瞬の視線だけで判断してしまいがちなものには、しばしば、何年もの時間をかけて生き抜いてきた物語が隠されているのだ。
